変わり者の森妖精。

結局、昨日は早寝してしまいました。

なんか家の中を風邪がぐるぐるしてるっぽい。
先日のべべ様の風邪、またしてももらってしまったようですよ。
午前中、少し休んでたら喉の痛みはらくになりましたが、頭がぐるぐるします。
あ、いつものことですか、サーセンｗｗｗ

でも、弓月にうつったせいか、べべ様の風邪は速攻治ったみたい。よかよか＾＾

あとはこの風邪さえ治せば、やりたいこと色々やれる……！！
創作したいのにできない時って、何ともいえない焦燥感にかられるよね。


ところで、べべ様。
今日はおうたが上手です。
「おっくまっせ、おっくまっせ♪」
多分ね、おっくせんまん♪って歌ってるんだと思う、音程から察するに。
ちょっと息子の先行きが不安になったある晴れた秋の日。

さてさて。


今日はキャラ語りしちゃうんだぜ。
語りっつーか、掘り下げ。弓月の弓月による弓月のための確認事項みたいな感じで。
今日はファーについて考えてみようかと思う。

いっつもトーヤとセットで描かれることが多いせいか、彼女本人にスポットが当たることって実は少ないことに気付いた。
せっかくのメインヒロインなのに勿体無い！！ってことで今日の主役はキミだ！！ｗｗｗ


弓月の世界のエルフっていわゆる指輪型エルフに分類されます。ただ、伝統的なエルフに比べて、耳が大きく描かれるので（笹耳ってやつね）一番近いのって、和製ファンタジーによるエルフ、なんだと思う。
これは弓月が小さい頃に読んだロードス島戦記の影響が大きいのは言うまでもないね。
ちなみにロードスのキャラデザをした出渕氏曰く、エルフの耳はメカのアンテナみたいなイメージでデザインしたとのこと。なるほど、言われてみればそう見えるかもｗ　出渕氏もメカデザインを多く手がけていらっしゃる方だし、激しく納得しましたｗ

で、ファーですが。
弓月の作品内でエルフ達ってとても排他的な種族なんですね。この辺はプロローグを参照してもらうこととして、とにかく人間と関わらないように避けています。
森の動植物くらいじゃないかな、エルフたちが好んで接触するのって。
そんな排他的な種族の中において、ファーってとても異端な性格の持ち主です。
だって、種族全体でタブー視してる人間への興味を持つんだからね。
でも、彼女だって興味本位とか反発心で人間への興味を抱いたわけじゃない。
頭の良い娘だから、善いことと悪いこととの区別くらいはちゃんとできる娘です。
死者を冒涜したり、他者を陥れたりするような悪いことと、人間の生き様を同列に見られなかっただけなんだと思うのです。
人間が善いか悪いか、まだわからない。それが彼女の気持ち。
里の大人たちは、彼女がまだ人間から直接傷つけられていないから、そんな気楽なことを言えるのだ、と言います。
彼女もそれは充分わかってる。里の大人たちが、彼女が必要以上に傷つかないように道を示してくれているのだということも理解してる。
でも、理解することと納得することって別物なのよねー……。
人間を嫌って避けるのなら、避けるに足るだけの理由を直接自分で見たいって思ったんだと。
そして、避けずに済むのなら、その道を選びたいと。

エルフはとても長命な種族です。それこそン千年単位で時間を生きてる。
なもんだから、繁殖能力はあまり高くありません。
理由はいろいろ。
まずは生物的に当然というか、種族として限りなく完成形に近いから、これ以上、種を保存する必要が少ないこと。戦いで死んだりでもしない限り、エルフが命を失うことってまずないからね。
なので、おのずと生殖能力が低い。
それから、エルフって半分、精霊みたいなものだから、肉体（物質）に対する執着が薄いこと。これが生殖能力の低下に拍車をかけてる。
おかげでエルフの里では徐々に人口が減ってきています。
それを防止するために、同じくらいの年の若いエルフ同士を結婚させたり、里から出ていくことを戒めたりと、色んな策を講じているんですね。
種族を存続させるための手段。
ファーとエルティートも里で決めたカップル。
幼馴染同士なので、一緒にいることに異存はないけれど、お互いに恋愛感情があるわけではないです。夫婦というよりは兄弟姉妹、家族って印象の方が強い感じ。

里ではそれが当たり前だから、ファーもずっと疑問に思うこともなかったんだけど。
ある日、彼女は見ちゃったんですね、人間の世界を。
そこで、一組のカップルが愛し合って結婚して子供産んで育てて……その子供がまた恋をして、結婚して……。
それ見たときに、ファーの中に疑問が芽生えたんだと思う。エルフと人間の違いってなんだろうって。
で、彼女なりに考えた結果、「愛し合う」ことが鍵になるんだろうと予測したわけです。
エルフのいう「愛」と人間の「愛」ってどこか違うんじゃないだろうかと。
そして、種の存続のために義務的に子供を作ることに大きな疑問を抱いたんだと思います。
そんなの全然、自然じゃないって。自然を愛するエルフなのに、こんな不自然なことをしているから子供が授からないんだと思ったんですね。
それで、ファーはエルフという種を絶滅の道から引き戻そうと、人間にますます興味を持って、タブーを破って森を飛び出してきたってわけです。
トーヤとの出会いはそのきっかけに過ぎなかったりする。

ファーは賢くていい子。エルフ族の中でも、特に穏やかな気性なので、里のエルフ達はファーが飛び出していったことにきっとびっくりしただろうと思う。
人間に興味を持つだけじゃなく、森を飛び出していって、あまつさえ人間を愛して。とんだ不良娘だなｗｗｗ
でもさ、彼女はきっと、エルフも人間も同じくらい大好きなんだと思う。どっちも愛しいと思うんだな。
だから、両者が手を取り合ってくれるのを望んでる。


ちょっと話がマクロになってるかな。もちょっと規模を小さくしようか。
ファーの胸の内にはそういう大きな理想みたいなものもあるけれど、それと併行して、恋に恋してる部分もあると思うの。人間界で見た夫婦、カップルに憧れたんじゃないかな。
好きな人に尽くして、その人だけを強く愛して。でもって、相手からも強く求められて。そういうのを望んでる部分もきっとある。
本来ならエルティートとそういう関係を築いていくのが理想的なんだろうけど、トーヤに惹かれてしまった。
いけないと思いつつも、惹かれていくのを止められない葛藤なんかが、彼女の内にはあるはず。

なんでかっつーと、やっぱ一番は寿命の問題。
トーヤと一緒に過ごす数十年なんて、エルフであるファーからして見たらほんの一瞬。
いずれはトーヤがこの世からいなくなる事実が、彼女に待ったをかけてる。トーヤを失ったあとの無限の時間をどうしたらいいのか、わからないんだろうな。
だってさ、本当に怖いと思うよ。確実に失うって解ってる相手を愛するのって。愛すると同時に失う覚悟を必要とするわけだから。
もちろん、失う側だけじゃなく、残して逝く側にも相応の覚悟が要ると思うけど。
トーヤはその辺、どう考えてるのかな？
そこが見えないから、ファーは不安なんだろうけど。
きっとトーヤがそれでも一緒になろうって言えば、彼女の迷いは氷解する。そんなに弱い娘じゃないから。でも、トーヤはそんな台詞言ってくれるような奴じゃないからな＾＾；

なので、神樹の守人ではそこがキーになるんじゃないかと思います。
種族の差という大きな壁は、二人で乗り越えないと意味がないんだな。

あ、あとあと。
人間とエルフの間に生まれるのはハーフエルフ。
ハーフエルフは人間からもエルフからも迫害されることが多いです。
それもファーが躊躇う理由の一つだろうな。
何で迫害されるかっていうと、人間同士、エルフ同士の夫婦にもごくごく稀にハーフエルフの子供が生まれることがあるから。
何代も、何十代も前の人間orエルフの血が、隔世遺伝で表に出てくることがあるせいですね。
これは取替え子（チェンジリング）って呼ばれて、忌み嫌われます。まぁ、普通に考えても「本当にオレの子か？」な気分になるし、気持ちのいいものじゃないから仕方ないのかなー……。
なので、人間とエルフが交わると後々、悲劇になる可能性が出てくるから、今の自分達の感情だけで愛し合っていいものかって理性が働いているでしょうね。
ちなみにセスはこのチェンジリング。もともとは割と裕福な家庭で産まれたんだけど、チェンジリングだったために捨てられて、鍛冶屋をやってるドワーフの親方に拾われました。


なんか、ファーの話っていうより、エルフの話みたいな感じになったな＾＾；
でもでも！
最初は種族のためにっていう使命感みたいなものに駆られて森を出てきたファーが、一つの命を愛する過程で、色んなものを見て感じて勉強してくれたらいいなぁと思う。そういう話を書きたい。
トーヤとファーが大樹に凝る膿を切り出すメスになるように。それが作者の望み。

でさでさ。
何となく、エルティート涙目ｗｗｗ